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ちょっと残念 --- 「覇王別姫」 [ぐだぐだ]



シアター・コクーンで「さらば、わが愛 覇王別姫」を見てきた。
陳凱歌(チェン・カイコー)監督の傑作映画を、
岸田理生脚本、蜷川幸雄演出、
さらば、わが愛 覇王別姫

さらば、わが愛 覇王別姫

  • 出版社/メーカー: アスミック
  • メディア: DVD

そして東山紀之主演で音楽劇に仕立てたもの。この顔ぶれだけで
期待は最高潮ではないですかっ!
コクーンの客席に入ると、桟敷席に赤いちょうちんが飾られ、
舞台では既に京劇の楽団員に扮した面々が柔軟体操をしていたり
とんぼを切っていたり、と雰囲気満点。
わくわく。
幕が開くと、風を感じさせる紗(?)の中から、スローモーションで
母子が走ってくる。
多指症の息子の指を切り落とそうと、刃物を振りかざして追う
娼婦の母、逃げる主人公小豆(のちの程蝶衣)。
母に捨てられ、京劇俳優養成所に入れられた小豆が、ほかの子に
いじめられ、かばってくれた石頭(のちの段小樓)を慕いながら
修業に励み、京劇俳優として成長していく---という
いわばプロローグが、セリフもなしに鮮やかに語られ、
もう一気に引きこまれた。

が、

そこまでだったかなー。

ヒガシの程蝶衣は、確かに美しいし、彼の歌声はいい!
さすが鍛えてるから、動きのいちいちも決まってカッコいい。
レスリー・チャンが徹底訓練&自己陶酔して演じきった役、
ヒガシには合っていると思う。ちょびっとイメージも重なるし(ただし
レスリーと比べてヒガシは健全だけどねー)。そういう意味、つまり
彼を眺めてため息つくには最高の作品だった。
でも、音楽劇なのに、ミョーに歌に入り込めなかったのはなぜ??
体はデカいのにびっくりするほど声の細い遠藤憲一は問題外として
(なぜ彼に歌わせた?)、木村佳乃がこれまたびっくりするほど
きれいな声で歌がうまかったのも、ヒガシがすばらしい歌手なのも
帳消しになってしまうほど、いい歌がなかった(ー'`ー;)
歌い上げて情感を盛り上げるというのもないし、歌詞は歌詞で
職業柄こんなふうに言うのはイヤなんだけどひどい翻訳調で
--問題なのは、これが芝居としては翻訳ものではなく
オリジナルだってこと--ト書きに節をつけて歌ってるみたい。
見ながら「これで完成作なの?」と何度思ったことか。
そして、京劇のシーンもつらいところ。ヒガシが訓練したらしいのは
うかがえたけれど、やはり動きや発声は違う。悲しいぐらい違う!
別の見せ方にしたほうがよかった。団員役の若者たちも、
キメのポーズぐらいピタッと揃えようよ。なんで、ああまで
バラバラなのよ(怒)!
場面転換のつなぎに、本物の京劇役者2人が
とんぼを切ったりしたのだけど、これがまた、ほかの出演者との
力の差が逆に際立って見えて(とんぼってものに、これだけ
違いがあるものかと初めて実感した…)残念!な感じ。
木村佳乃も、いい女優さんだし、前述したように歌がうまくて
すてきなんだけど、地に大根足のついたコン・リーの迫力イメージが
強く残るこの役には、きゃしゃでお上品で、どうしても足りない感が。。。
西岡徳馬はよかった! 京劇への情熱、女形役者買いの退廃、
そんな日常とかけ離れた人物を、色気も説得力もたっぷりに
演じていた。さすが。
でも、東山紀之は、絢爛舞台、とか主演、とかジャニーズのイメージ、
とかにこだわらず、正統派のミュージカルに出てほしいなと思った。
その存在感や歌、口跡は、奇をてらわない舞台で正々堂々
輝くと思う。私は別に彼のファンじゃない。はっきり言って
ちゃんと歌を聞くこと自体初めても同然だったけど、
それは正直な感想でした。


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玉虫

んー、なるほどね。
今度芸術劇場に来るほんまもんの京劇『覇王別姫』、非常~~に楽しみにしています。昔の台本に比べると色々編集されるようですが。
by 玉虫 (2009-04-08 20:44) 

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